<KUNIの雑感289>持ち味をつかみとる

<KUNIの雑感289>持ち味をつかみとる

今年の春季キャンプは2軍の注目度がいつになく高いのは、やはり中村奨選手が加入したからでしょう。21日に日南で行われた社会人・セガサミーとの練習試合では1番・指名打者でスタメン出場し、打っては4打数2安打1四球、さらに途中から捕手のポジションにもつきました。詰まったヒットもあったものの、果敢に2塁を狙う積極的な走塁もあったようです。

そんな練習試合は、9回裏に船越選手サヨナラタイムリーを放ち、3-2で何とか勝利を収めました。その船越選手ですが、この試合では本職の捕手ではなく、ライトで先発出場し、先のサヨナラタイムリーを含む3安打猛打賞と大当たりで、大きなアピールとなりました。

船越選手の立場というのは、同じ捕手の坂倉選手の成長や中村奨選手の加入によって、まだ入団3年目ながら厳しい状況にあります。そのため船越選手は捕手にこだわらず、内外野どこでも守れるように練習に励んでいるようです。捕手だけでは出場機会がなかなか得られないため、その可能性を増やし、しかも「内外野守れて、しかも捕手もできる」となれば、それは大きな個性となります。そこに活路を見出そうとしています。

同期で、しかも同じ社会人・王子からカープに入団した西川選手は今やチームに欠かせない戦力であり、日本代表メンバーにも選ばれるほどとなりました。大きな差をつけられてしまった状況です。しかし、まだ入団3年目。今年は結果を残し、どんな役割であれ、1軍での出場を果たしたいところ。

この春季キャンプでは、1度だけ1軍キャンプの紅白戦に出場したものの、結果を残すことは出来ませんでした。しかし、2軍で、まずは打撃でアピールしつつ、内外野まずまずのレベルで守れるようになればチャンスはあるはずです。捕手層が厚いカープですが、ユーティリティ性があり、打撃力のある捕手となれば、他の捕手にはない大きな持ち味になりますから。どんなアピールを見せてくれるかが注目されます


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<KUNIの雑感288>三振しにくいバッター

<KUNIの雑感288>三振しにくいバッター

投手からすれば、なかなか三振してくれない打者というのは手強い上に、球数がかさんでしまうために、かなり神経を使うことでしょう。今のカープ打線は積極性と粘り、見極めが見事に両立し、非常にしぶとく、どこからでも攻撃が仕掛けられるという印象があります。とりわけ機動力も絡められると、相手からすればかなりきついでしょうし、そこにカープの強さがあります。

ところで、今のカープ打線で、プロ野球の世界で1000打数以上を経験した打者で、三振が少ないのは誰かというのを調べてみました。といいますか、たまたまある選手のプロ通算打撃成績を見ていると、「三振が少ないなあ」と感じたのが、調べてみるきっかけだったのですが、そのある選手とは、こちらです。

松山選手 
1746打数216三振  三振率.124

比較ということで、他の選手のプロ通算三振率も見てみましょう。

菊池選手 
3019打数547三振  三振率.181
丸選手 
3422打数732三振  三振率.214
天谷選手 
1931打数405三振  三振率.210
田中選手 
1984打数412三振  三振率.208
新井選手 
7820打数1667三振 三振率.213
エルドレッド選手 
1838打数597三振 三振率.325
堂林選手 
1307打数373三振  三振率.285

右の長距離砲であるエルドレッド選手の三振率は際立ってますが、おおむね2割ちょっとといったところです。新井選手は右のパワーヒッターでありながら、三振率は丸選手とあまり変わらないというのは、勝負強さもさることながら、外角球を逆らわずに右方向へ流す技術の高さもあるのでしょう。そう考えると外角低めへの変化球に思わず手を出しがちなエルドレッド選手や堂林選手の三振率が高いのもうなずけます。

菊池選手の三振率.184も目立ちますが、やはり松山選手の.124は際立って三振の可能性の低さを物語っています。では、なぜ松山選手の三振率は低いのかを考えてみました。

まず、昨年のシーズン終盤こそ、相手が左腕であっても打席に送られることが増えましたが、それ以前は右投手専門という起用が目立ちました。左打者の松山選手が左投手との対戦が少なかったのが原因かと思い、昨年の対左腕の三振率を調べてみると…

松山選手 対左腕 80打数12三振  三振率.150

確かにプロ通算の三振率からすれば、その割合は上昇していますが、それでも他の打者に比べると低い数値となっています。こういったところに、左投手もけして苦にはしていないことを感じさせます。

松山選手と言えば、長打もある中距離ヒッターですが、とりわけ内角打ち、しかも低めが芸術的に上手いという特徴があります。相手が空振りや見逃しを狙って投げてきても、上手く弾き返す技術があります。足がもう少し速ければ…と思ったりもしますが、三振が少ない打撃技術があるだけに、やはり起用としては5番、もしくは鈴木選手不在時の4番が理想でしょうね。

ちなみに、打撃技術の高さといえば、カープではあの侍を忘れてはなりません。その選手のプロ通算三振率を調べてみると…

前田智徳選手 
7008打数765三振 三振率.109

松山選手の数字をさらに下回る三振率。もはや1割台を割り込もうとするほどで、これはすごい数値です。前田智選手と言えば、2ストライクと追い込まれてからの打率も、他と比べて格段に高いという特徴がありました。追い込まれるほどに執念と技術の高さを発揮するのですから。松山選手も数字上ではかなり良い線を行ってるだけに、年齢と経験を重ねて、少しでも近づいて、カープの歴史に名を残す打者になってほしいものです。


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<KUNIの雑感287>ドラ1の育成方針

<KUNIの雑感287>ドラ1の育成方針

今季の春季キャンプはルーキー勢は全員2軍スタートとなりましたが、それでも注目されたのがドラフト1位の中村奨選手ですね。山口・岩国のキズナスタジアムでスタートした2軍のキャンプですが、1500人を超えるファンが集まったようで、これだけ注目度が高いルーキーも珍しいのではないでしょうか。

やはり、昨夏の甲子園では地元・広陵高を決勝戦へと導いた原動力となる1大会6本塁打という史上最多の記録をマークしたわけですし、しかも広島出身でカープに入団したのですから。アマチュア時代の活躍ぶりの知名度が高いことで、より関心が高まっているのでしょう。

カープの育成方針は一貫していて、水本2軍監督も今の段階では他の捕手とはまだ競争できるレベルにないと判断しており、きっとじっくりと育成していくことになるのでしょう。ゴールデンルーキーではありますが、特別扱いすることなく、今の力を見極めながら、2軍で実戦経験も積ませていくのでしょう。さすがは「育成」のカープです。

中村奨選手を見ていると、やはり身体の線が細いという印象があります。まだまだプロの身体ではありません。また、木製バットへの対応も課題とされています。これは昨年の国際大会出場の頃から指摘されていましたが、やはり金属バットに慣れた状態からの木製バットへの切り替え、対応には時間がかかるでしょう。

ブルペンでのキャッチングを見ても、けして「パーン!」という音は出ていなかったので、すべてにおいてレベルアップが必要でしょう。何かと比較されがちですが、個人的には昨年の坂倉選手の1年目ほどの結果は残せないと思っています。ただ、今は時間がかかっても良いのです。焦ることは何もありません。走攻守、すべてにおいてセンスの塊で、後はそれをプロ仕様にしていくわけで、しかも捕手ですから、多少なりとも時間はかかると思います。

ところで、地元出身の地元の高校生を、カープは長らく指名しませんでした。なぜなのか本当のところは分かりませんが、中村奨選手が入団したことで何となく思うのですが、地元の期待があまりに大きくなりすぎて、とりわけ高卒ルーキーには大きなプレッシャーになり、焦りにもつながってしまうからかもしれません。

しかし、中村奨選手に関しては、大舞台で大記録を打ち立てるのですから、それだけの精神力があると思います。あくまでも1軍で活躍するという目標に向かって、周囲の期待を力に変えながら、それでいてまっすぐに進むことができる選手だとも思います。焦らず、コーチの指導の下で、走攻守3拍子揃った捕手として大きく育ってほしいものです。


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今季の選手の起用法2018(9)~懸案の左腕は?~

◎今季の選手の起用法2018(9)~懸案の左腕は?~

毎年恒例の企画「今季の選手の起用法」、2018年バージョンの第9回。毎年のように課題に挙げられているのが左腕。近年のカープは先発も中継ぎも左腕不足です。一昨年の日本シリーズも、昨年のCSファイナルステージも、左腕不足による投手陣のバリエーションの乏しさも、勝敗を分けた一因であったように思います。今年こそはこの課題と真摯に向き合って、解消してほしいところ。そのためには左腕の育成は喫緊の課題です。というわけで今回は左腕の起用法について考えてみます。

まず、今季のカープに所属している左腕の昨季の1軍での投手成績を振り返ってみましょう。(★は2軍での成績です)

・ジョンソン投手
13試合(先発13試合) 6勝3敗0S 76.1イニング 防御率4.01
・床田投手
3試合(先発3試合) 1勝1敗0S 17.1イニング 防御率5.19
・高橋樹投手
10試合(先発1試合) 0勝2敗0S 14イニング 防御率6.43
・戸田投手
3試合(先発1試合) 0勝0敗0S 7.1イニング 防御率11.05

・飯田投手
8試合(先発0試合) 0勝0敗0S 7イニング 防御率10.29
・佐藤投手
6試合(先発0試合) 0勝0敗0S 6.2イニング 防御率4.05
・オスカル投手
2試合(先発0試合) 0勝0敗0S 1.2イニング 防御率5.40

・塹江投手
★18試合 3勝4敗1S 88.1イニング 防御率4.38
・中村恭投手
★26試合 5勝4敗1S 79イニング 防御率4.44
・高橋昂投手
★7試合 2勝0敗0S 28イニング 防御率1.29

昨シーズンはジョンソン投手の長期離脱の影響もあり、先発でも左腕不足に拍車をかけました。そのため、昨シーズンの左腕の先発の勝利数はわずか7勝。しかもジョンソン投手を除けば、床田投手の1勝のみです。中継ぎも左腕不足は数字上でも明らかで、最多でも高橋樹投手の9試合にとどまっているのが現状です。

先発の左腕にはジョンソン投手という柱がいます。昨年は6勝にとどまりましたが、それまでの2年間で通算29勝を挙げており、左のエースとして先発陣を支えてきました。昨年も半分近い期間で離脱していたにもかかわらず6勝を挙げたのですから、やはり先発の軸としては外すことは出来ません。昨年は体調を崩しての離脱期間が長かっただけに、今年は健康に留意しながら、ここまで順調な調整が続いているようです。

課題はジョンソン投手以外の左腕です。指を折れば、意外と左投手の数は多いのですが、戦力になっている投手は少ないのが現状です。昨季、左腕不足にありながら、結果的に左腕の新戦力の補強はありませんでした。しかし、2014年から3年連続でドラフトでは左腕を2人ずつ獲得しています。ここから戦力として1人でも多く出てきてほしいところです。

先発では2年目の高橋昂投手への期待が高まっています。昨シーズンはファーム日本選手権でも好投し、勝利投手となりました。この春のキャンプでは1軍メンバーに入り、実戦形式の練習の中でもまずまずの結果を残しています。ストレートに力がある投手だけに、コントロールがある程度まとまってくれば、今年は先発として十分に期待できるのではないでしょうか。

また先発となると、3年目の高橋樹投手は面白い存在だったのですが、故障で離脱してしまいました。ただ、ある程度のコントロールがある投手だけに、経験を積めば、先発として十分に戦力となれる可能性はあります。今のところ、2イニング目に入ると打たれる傾向が強いだけに、ここをどう改善するかがカギでしょうが、まずは故障を直すことが先決です。

中継ぎを見ると、1軍ではワンポイントタイプと1イニングを抑えられるタイプの2人がいれば理想的です。しかし、昨年もそうですが、右投手の実力と比べると、やはり落ちる面も多く、左打者をしっかり抑えられる投手がいないことも、中継ぎ左腕不足に拍車をかけています。

まず、ワンポイントタイプの候補としては、サイドスローに転向したオスカル投手がキャンプではまずまずの結果を残しています。ただ、まだサイドスローに転向して間もなく、対外試合を通して、最低限左打者を抑えられるか、そのためには内角も突く投球ができるか、これからのピッチングが注目されます。

また、塹江投手は速球が魅力。首脳陣は先発候補として考えているようですが、ストレートの球威をみると、1イニングを任せる中継ぎでも面白いと思います。ただコントロールに課題があり、とりわけ立ち上がりには不安があるだけに、そこをどう改善するか…先発にせよ、中継ぎにせよ、1軍の戦力となるためには、そのあたりがポイントになりそうです。

他にも毎年出だしが悪い戸田投手、練習生ながら球威あるピッチングを見せているフランスア投手ら、左腕のコマ数は揃っています。しかし、戦力となれる選手が少ないのが現状です。左腕の補強をしなかった今季、現有戦力の成長が求められています。その中で1人でも多く、戦力となれる投手に出てきてほしいところ。


起用法については、先発ではジョンソン投手は確定として、さらに高橋昂投手が入り込めるか、中継ぎでは塹江投手、オスカル投手あたりが期待されます。戸田投手もそろそろ奮起してもらわないといけませんし、高橋樹投手も復帰後は台頭を期待したいところです。

確かに、右投手の選手層が厚いこともあり、また、左投手がいなくても、セリーグ連覇という結果を残しました。しかし、勝負どころや短期決戦では、投手陣にバリエーションを持たせることは非常に重要です。近年のカープではあまり見られないワンポイント起用など、投手の個性を活かして、柔軟でバリエーションのある継投も見せてほしいところですし、その個性の見極めや我慢の起用も今季は大きなポイントとなると思います。


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<KUNIの雑感286>紅白戦に関する疑問

<KUNIの雑感286>紅白戦に関する疑問

春季キャンプも1軍は沖縄キャンプが第1クールを終え、紅白戦、対外試合も行われるようになってきました。最近は紅白戦もテレビで中継してくれるので、主力選手の調整ぶりや若手選手のアピールの様子が手に取るように分かるので良いですね。

ところで、紅白戦をテレビで観戦していると、息子がこんなことを言いました。「赤と白、どっち応援してるん?」って。なかなか難しい質問ですね。どちらもカープですし、引き分けを除けば、必ずカープが勝つシーンを見ることは出来ます。確かに試合をするからには勝つ方が良いわけで、それで得られる試合勘というのもあるでしょうから。負けても課題が分かるわけで、やはり実戦はチーム力を高める上では効果的です。

息子の素朴な質問に対しては、結局のところ、「どちらもカープだからね」と伝えつつ、「いつも試合に出ている選手は今年も大丈夫そうだなと思いながら見てるけど、あまり名前が出てこない選手には活躍してほしいなと思ってるよ」と答えました。やっぱり気になるのは、今年、どんな若手が台頭してくるか、若手の成長ぶり、そして1軍で活躍するところですから、この時期だからこそ、やっぱり若手選手は応援したくなります

それにしても、カープはセリーグを連覇し、実績と経験を兼ね備えた選手がたくさんいます。若手投手が続々と紅白戦のマウンドに上がる中で、打席にはタナキクマル、松山選手、安部選手などなど、セリーグでも屈指の打者ばかり。彼らと対戦することが若手にとっては非常に良い練習となり、経験にもなると思います。打たれたり、四球を出したりというのも当然ありますが、主力選手と対戦したことから何かを掴んでもらいたいものですね。それもまたチーム力の向上につながるでしょうから。


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