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それぞれの2020年、そして来季へ(最終回)~田中広輔選手編~

◎それぞれの2020年、そして来季へ(最終回)~田中広輔選手編~

毎年恒例、今季の戦力を1人ずつ、昨季の成績とともにチェックしていく連載。昨季のシーズンが終了するとともに始まったこの連載も、約3ヶ月を経て最終回となりました。全56回にわたる長期連載の最後を飾るのはカープの選手会長!田中広輔選手に注目してみたいと思います。

では、まずは昨季の田中広選手の打撃成績を振り返ってみましょう。

2020年1軍成績
試合打席打数安打二塁打三塁打本塁打打点三振
1124543789511583986
盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球打率長打率出塁率
84124555.251.370.351

2019年のシーズンは、今までのリーグ3連覇やショートでのフルイニング連続出場など、積み重ねてきた勤続疲労もあってか、ついに右ひざが限界に達し、シーズン中に右膝半月板部分切除の手術を行いました。打率.193と田中広選手らしからぬ成績の影には右ひざの痛みとの戦いがあったのでしょう。

昨季はその手術からの復活へ向けてのシーズンとなりました。2019年のシーズンと比較しても、打率は2割5分台まで回復してきました。リーグ3連覇時のように、打線のリードオフマンではなく、8番打者での起用が中心だったこともあり、盗塁数はけして多くはありませんが、チームトップとなる5本の3塁打を放った点に、足の復調ぶりを感じさせます

続いて、田中広選手の昨季の月別の打撃成績を振り返ってみましょう。

【2020年月別成績】
打数安打HR打点三振四死盗塁打率
6・7月1052521031190.238
8月5982415141.136
9月832521518102.301
10・11月1313721022175.282

7、8月と夏場は月間打率が1割台に沈み、9月2日の中日戦で打率そのものも一瞬だけ1割台に突入したこともありました。右ひざを手術した後というのは、一見順調に回復しているように見えて、やはり俊敏に動くことに怖さを感じたり、患部にどこか不安定な感覚があり、しっくりくるまでにある程度時間がかかるようで、その影響もあったのかもしれません。

しかし、月間打率1割台だった打撃不振だった7、8月でも、出塁率はともに3割を超えていました。たとえ打撃で結果を残せなくとも、粘って出塁を奪うという仕事を果たすところは、さすがチームのリードオフマンとして輝かしい経験と実績、自分自身の役割を熟知しているがゆえでしょう。

9月に入ると、打撃でも徐々に田中広選手らしさを取り戻し、9月以降の打率は3割台をマークしました。7月まではゼロだった盗塁も、10月には5つマーク。10月の月間出塁率は.393と、4割に迫るような、リーグ3連覇時の田中広選手が戻ってきたことを印象付けるような成績でした。

次に、昨季の田中広選手のランナーがいない場合と、得点圏にランナーがいる場合とでの打撃成績を見てみましょう。

【ランナーなし&得点圏の打率】
ランナーなし:212打数60安打 打率.283
得点圏打率:102打数17安打 打率。167
ランナーが3塁にいるとき:42打数7安打 打率.167


このように見ると、田中広選手はランナーがいない状況での打率は、シーズンの打率よりも高く、得点圏打率が低い傾向があります。つまり、ランナーなしの状況では自分自身がなんとしても出塁しようという意識を徹底しているがゆえに、チャンスの場面…特にランナーが3塁にいるタイムリーが求められる場面に弱いようです。

つまりは、田中広選手はまずは先頭打者で出塁を目指す、まさにリードオフマンタイプの象徴的存在といえます。河田ヘッドコーチも、かつてほどの盗塁は出来ないことを念頭に入れながらも、高い出塁率を活かして、「1番・ショート」として復活してほしいという思いが強く、今季はリードオフマン、そしてショートの最有力候補でしょう。

昨季、田中広選手はFA権を取得しましたが、行使せずに残留を決断しました。選手会長として、チームを1つにして、もう一度優勝したい…その思いを強く持っています。どんな雰囲気になれば優勝できるか…それを知っているからこそ、プレーでチームを盛り立てたい、そのためには田中広選手自身がリードオフマンとして攻撃の先陣を切る働きを取り戻すことが出来れば、カープらしい攻撃のきっかけも取り戻せるのではないでしょうか。今季が田中広選手の真の復活の年になれば、チームも活気づくはずです。

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それぞれの2020年、そして今季へ(55)~大瀬良大地投手編~

◎それぞれの2020年、そして今季へ(55)~大瀬良大地投手編~

毎年オフ恒例、今季の戦力を1人ずつ、昨季の成績とともにチェックしていく連載。残すところ、あと2回となったこの連載。前回は野手のキャプテン・鈴木誠也選手を取り上げたので、今回は投手のキャプテンに就任した大瀬良大地投手に注目してみたいと思います。

早速ですが、まずは大瀬良投手の2020年の投手成績を見てみましょう。

試合被安打四球死球
11540063.170141
奪三振失点自責防御率完投先発完封WHIPQS
3833314.4121101.335

前年に続き、2年連続での開幕投手を務めた大瀬良投手。この日の横浜DeNA戦、投げては9回1失点で完投し、打ってもタイムリーに、プロ初となるライトへの2ランと、まさに大瀬良劇場と呼ぶにふさわしい試合でした。翌週の中日戦でも、9回1失点と2試合連続完投勝利を挙げ、文句なしのスタートを切りました。

しかしその後、どことなく投球が、そしてその雰囲気に違和感を感じるようになります。7月24日の横浜DeNA戦で先発するも、2回2失点で降板。翌日には、コンディション不良で1軍登録を抹消されました。どこか右の肩か肘に故障を抱えているのではないか…そんな印象を受けました。

8月8日の阪神戦で1軍復帰し、7回1失点の好投で4勝目をマーク。復調の兆しを見せたものの、8月29日の阪神戦で3回5失点で降板すると、翌週の登板でも4回途中8失点の大炎上。もはやストレートは走らず、変化球で交わす投球に、エースらしいピッチングはまるで感じられず、何かまずい状況だろうというのは、見ていて感じました。

その8日後、球団はいつもの「コンディション不良」ではなく、群馬県館林市内の病院で右肘関節鏡視下遊離体摘出、骨棘切除、滑膜切除を受けた…と発表しました。やはり右ひじに大きなアクシデントがあり、早々に昨季のシーズンを終え、リハビリを行うこととなりました。

リハビリの間、大瀬良投手は徹底的に下半身を強化し、さらには筋力トレーニングも行ったようです。そのためか、大瀬良投手の表情を見ていると、故障前よりも現在の方が、どこか顔がスリムになったようにも見えます。スクワットでは自己最高を叩き出し、大瀬良投手自身、今までで最高の体を手に入れることが出来たようです。

自主トレ期間中にはブルペンで捕手を座らせての投げこみも行うことが出来るようになったようで、下半身を使った投球ではかつてよりも速い球の回転で投げられるようになったと手ごたえをつかんでいます。それだけ、下半身が使えて、粘りのある、そして球持ちの良いピッチングが出来ているということなのでしょう。

さて、ここで大瀬良投手の直近5年間の相手打者の左右別被打率を見てみましょう。

左打者右打者
2016.171.200
2017.292.222
2018.221.208
2019.285.245
2020.345.196

大瀬良投手にとってキャリア・ハイと呼べるシーズンは、カープが球団史上初のリーグ3連覇を達成した2018年シーズンで、15勝をマークし、最多勝と最高勝率のタイトルを獲得しました。この年の大瀬良投手は相手打者の左右関係なく、2割台前半の被打率に抑えていました。

しかし、昨季に関しては、右ひじの故障もあり、シーズン途中で離脱したこともありますが、左打者の被打率が.345と、非常によく打たれています。ただこの傾向は昨季だけでなく、2019年も被打率.285と、左打者に関しては2018年をピークに、被打率が悪化しているのです

大瀬良投手といえば、150キロ前後のストレートに、カットボール、シュート、スライダー、カーブを織り交ぜるのがスタイルです。とりわけ、2018年に左打者への被打率が劇的に改善した要因として、左打者の内角を突くカットボールがありました。課題だった左打者の対策が見事に成果を示したのが2018年シーズンだったといえます。

ただ、相手も研究してくるわけで、そればかりに頼りすぎていると、左打者はカットボールへの意識を強く高めるようになります。大瀬良投手の場合、シーズン中盤、特に夏場に疲れが顕著に出てくる傾向があり、ストレートの球威が下がり、変化球に頼りがちになれば、どうしても左打者にはカットボールを狙われてしまう…そう考えると、左打者を抑えられるかは、大瀬良投手の調子のバロメータともいえるかもしれません。

昨年の手術の影響で、今季の春季キャンプは2軍スタートとなりました。ただ、ストレートも強度が増し、変化球を織り交ぜた投球練習もできるようになり、復活へ向けての調整は非常に順調のようです。もちろん、実現すれば3年連続とある開幕投手も狙っています。

大瀬良投手のカギは左打者をいかに抑えるか…ここでしょう。左打者にはカットボールを…というのは、大瀬良投手の常とう手段として、他球団も熟知しているはずです。その中で、相手に対して目先を変える配球をすることも必要でしょうが、それ以上に、「分かっていても打てない」と思わせるようなピッチングを取り戻すことも重要でしょう。

豪快なストレートともに、カットボールを上手く織り交ぜれば、ある程度左打者を抑えることが出来ているという手ごたえも、実績もあります。あとは、その力を取り戻し、昨季の悔しさを今年、しっかりと晴らせるよう、そしてエースとして勝てる投球を見せ、再び2ケタ勝利、タイトル奪取へ向けて、完全復活を期待しています


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それぞれの2020年、そして来季へ(54)~鈴木誠也選手編~

◎それぞれの2020年、そして来季へ(54)~鈴木誠也選手編~

毎年恒例、今季の戦力を1人ずつ、昨季の成績とともにチェックしていく連載。いよいよこの連載も残り3選手。現在のカープのトップ3ということで、54回目となる今回はカープの主砲であり、今季からカープの野手のキャプテンに指名された鈴木誠也選手に注目してみたいと思います。

では、昨季の鈴木誠選手の打撃成績を振り返ってみましょう。

2020年1軍成績
試合打席打数安打二塁打三塁打本塁打打点三振
118514430129262257573
盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球打率長打率出塁率
6403729.300.544.409

さらに、鈴木誠選手の昨季の月別の打撃成績を振り返ってみましょう。

【2020年月別成績】
打数安打HR打点三振四死盗塁打率
6・7月1294492720232.341
8月1062351315190.267
9月102275121662.265
10・11月1133562322332.310

昨季ほど、鈴木誠選手にとって難しいシーズンはなかったのではないでしょうか

鈴木誠選手のこれまでのプロ野球人生を振り返ると、2016年に「神ってる」活躍で、一気にチームの顔とも呼べる存在となり、また、チームの25年ぶりの優勝にも大きく貢献しました。2017年からはチームの4番として活躍し、2018年までのリーグ3連覇の中心選手でもありました。

ファンの大声援の後押しを受け、それをパワーに変えてきた鈴木誠選手。だからこそ、昨季は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、無観客で開幕したこと…真っ赤に染まったマツダスタジアム、ファンの大声援もない状況に戸惑い、寂しさも感じ、そしてモチベーションをどう上げていけば良いのか、まるで分からなくなり、チームも低迷する中で、時として、どこかやる気がなさそうな雰囲気を出す場面もありました

実際、開幕直後は、どこへ投げ込まれてもはじき返せるくらいの好調ぶりでした。打率も3割を大幅に超えていました。しかし、チームが低迷、打線もつながりを欠く中で、主砲である鈴木誠選手にマークが集中。まともに勝負してもらえない打席も目につき、打率もどんどん下降線をたどり、9月12日の阪神戦でついに打率が3割を切りました。打率が3割切るとニュースになる…鈴木誠選手のすごさを改めて感じるものでした。

打率.295で迎えた11月10日の東京ヤクルト戦で、1番・ライトで先発出場し、まるで狙いすましていたかのように、3回までの3打席で3安打を放ち、打率をちょうど3割に乗せ、シーズンを終えました。プロ野球史上で王貞治さん、落合博満さん、小笠原道大さんの3人しか達成していない5年連続3割25本塁打を達成したのです。

ところで、昨季の鈴木誠選手の打球方向を見てみましょう。カッコ内は2019年の成績です。

【昨季の打球方向(カッコ内は2019年)】
レフト方向:49%(39%)
センター方向:23%(29%)
ライト方向:28%(32%)


鈴木誠選手といえば、緒方前監督時代は試合の場面ごとに巧みなバットコントロールで、逆方向へも強い当たりを打つ場面が目立ちました。つまり、力強さだけでなく、広角に打ち分ける器用さも併せ持った、カープ屈指のバットマンという印象でした。それは、打球方向にも表れており、3分の1は逆方向へ打球を運んでいることからも分かります。

しかし、昨年の鈴木誠選手は、打線の中で長距離砲が自身しかいないことも多く、チームからは長打力を求められていたのかどうかはわかりませんが、引っ張りの打撃が目立ちました。レフト方向への打球が半数近くにまで増加したのは、それを示すものといえます。

その結果、四球の割合は減り、三振の割合が増え、打撃に粗さが見られました。チームの方針かは分かりませんが、昨季は本来のち密なカープ野球が影を潜め、全体的にパワーがあるわけでもないのに、大味な攻撃が目立ったことで、鈴木誠選手の良さを最大限に活かすことが出来なかったともいえます。

カープ打線が得点力を高める1つのカギ…それは鈴木誠選手の打撃をしっかり生かせるかということでしょう。それは長打力だけでなく、逆方向にも打ち分けることが出来る器用さ、俊足など、総合的な特徴を試合で発揮させることでもあります

そのためには、1つには上位打線でしっかりとチャンスを作り、鈴木誠選手が打席に立つことで生まれる相手へのプレッシャー、守備体形による隙をしっかり突けるかどうか、さらに鈴木誠選手にマークが集中しないよう、そして長打力を1人に背負わせないために、ある程度分散させることが出来るかということでしょう。そのためには、クロン選手が日本でパワーを発揮できるか、また林選手のようないかにパワーがある打者を育成し、1軍の戦力に出来るか…このあたりも重要になると思います。

もはや、鈴木誠選手には弱点らしいものはありません。強いて言えば、昨年のような真っ赤に染まらない、静まり返ったスタジアムかもしれません。今季、その点については観戦スタイルがどう変化するかは分かりませんが、昨年の経験を活かしてほしいところ。

そして、鈴木誠選手の打力を最大限に活かせるような打線、多彩な攻撃バリエーションを構築してほしいと思います。今年は2018年までのように、はじけるような、喜びを爆発させる笑顔、「最高でーす」をヒーローインタビューで連呼できるような、本来の鈴木誠選手に戻ってほしいと願うばかりです。


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それぞれの2020年、そして今季へ(53)~九里亜蓮投手編~

◎それぞれの2020年、そして今季へ(53)~九里亜蓮投手編~

毎年オフ恒例、今季の戦力を1人ずつ、昨季の成績とともにチェックしていく連載。残すところ、この連載もあと4回となりました。53回目の今回は、昨季、先発ローテーションとしてシーズンを投げ抜いた九里亜蓮投手に注目してみたいと思います。

早速ですが、まずは九里投手の2020年の投手成績を見てみましょう。

試合被安打四球死球
208600130.2116440
奪三振失点自責防御率完投先発完封WHIPQS
10646432.9622011.2212

自身の昨季初登板となった6月24日の巨人戦では、佐々岡監督もうなる7回1失点(自責点0)の素晴らしいピッチングで幸先良く1勝目をマークしました。好スタートは切れたのですが、その好調は続かず、7月、8月と8試合に登板して、5回もたずに降板すること2度、5回で降板は4度と、先発としての役割を果たせない登板が続きました。

好投しても次に続かない、好不調の波が激しい…九里投手の課題はなかなか解消されず、とりわけ7月の月間防御率は6.14にまで落ち込むほど。ただ、例年ならば中継ぎに回される可能性もあったのでしょうが、先発投手陣の台所事情が厳しいこともあって、先発としての起用が続きました。これは九里投手にとって追い風でした。

9月28日の横浜DeNA戦で見事7安打完封勝利を飾った九里投手は一気に調子を上げました。10月は防御率0.58で、3勝負けなしという抜群の安定感。森下投手がさらに上をいく数字を残したこともあり、セリーグ月間MVPとまではいきませんでしたが、間違いなく通常ならば文句なしで受賞できる成績でした。

結果的にプロ入り後初めて、シーズン通して先発ローテーションで投げ抜き、とりわけ完封勝利を飾った9月28日以降、3度の完投、全試合でQS(6回3自責点以内)を達成するどころか、7イニング以上を投げ、初の規定投球回数にも到達。先発へのこだわりが強い九里投手にとっては1つの大きな目標をクリアし、防御率も2点台となりました。

昨季の九里投手で一番の注目点…それは、なぜ9月28日以降、劇的にピッチングが良くなったのかということでしょう。

その1つのポイントとして、九里投手がコメントの中で語るようになった「ゾーンで勝負する」ということにあるのではないかと思います。そこで、昨季の九里投手の1試合あたりに換算した四球の数を他の投手と比較してみました。

【主な先発投手のBB/9】
九里投手:3.03
大瀬良投手:1.99
森下投手:2.35
床田投手:2.70
野村投手:2.80
遠藤投手:4.37
中村祐投手:2.12


このように、九里投手は七色の変化球を駆使した技巧派タイプの投手ではありますが、四球の割合が他の投手に比べて高い傾向があります。コーナーを狙うピッチングが時として粘られ、四球につながってしまうことも多々ありました。

しかし、九里投手の四球率を9月21日までと、完封勝利を挙げ、さらに絶好調のピッチングを見せた9月28日以降とで比較してみると…

9月21日以前:3.59
9月28日以降:2.33


このように、九里投手のピッチングは9月28日を境に劇的な変化を見せました。四球の率が激減したことで、一気にピッチングの安定感を高めました。これはゾーンで勝負するということを徹底的に意識したこともあるでしょう。ストレートを活かし、変化球は最悪の場合、ど真ん中を目がけて投げれば、変化によってコーナーへ向けて変化してくれるという考えもあったかもしれません。

九里投手の左右別の被打率を見ても…

【左右別被打率】
対右打者 227打数55被安打 被打率.242
対左打者 260打数61被安打 被打率.235


このように、相手打者の左右問わず、平均的に抑えています。これはゾーンで、そして内角を攻めていること、さらに九里投手が持つ多彩な変化球で左打者に対しても横変化の逃げるボールがあることなどで、しっかり打たせて取るピッチングが出来ているためでしょう。

最後に…

【ホーム・ビジター成績】
ホーム 11試合5勝3敗 防御率1.74
ビジター 9試合3勝3敗 防御率4.75


昨季の九里投手はホームで圧倒的な強さを見せています。昨季は新型コロナウイルスの影響で、ビジターのゲームほどに、気を遣わなければならない部分も多かったというのもあるでしょう。

ただ、それ以上に9月28日、完封勝利を達成した試合の前、自宅を出発する前に、お子さんが「頑張ってきてね」と初めて言ってくれたそうです。そして、九里投手は何かから吹っ切れたように、さらに何か大きな力を手に入れたように、この日から絶好調となりました。

ご家族の支え、お子さんからのかわいい大声援が、九里投手のピッチングを後押ししたのでしょう。そんな力強い味方をつけ、キャンプでは第1クールから347球の投げ込みを行い、気迫十分です。今季は昨季達成できなかった2ケタ勝利実現に向けて、開幕から波が小さい、安定感を高めたピッチングを見せてほしいと思います。

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それぞれの2020年、そして来季へ(52)~堂林翔太選手編~

◎それぞれの2020年、そして来季へ(52)~堂林翔太選手編~

毎年恒例、今季の戦力を1人ずつ、昨季の成績とともにチェックしていく連載。52回目となる今回は昨季、長い低迷のときを経て、ついに打撃で目覚めた堂林翔太選手に注目してみたいと思います。

プロ入り3年目の2012年、堂林選手は当時の野村謙二郎監督の大きな期待もあって、「与えられたレギュラー」の中で、シーズンフル出場を果たしました。14本塁打を放ち、右の長距離砲としての素質は示したものの、150に及ぶ三振、サードでの29個の失策と、課題は山積。辛抱の起用は、チームにも負担を強いた形になりました。

翌年には早くも背番号が「7」に変更されましたが、そこからの堂林選手は、周囲の高まる期待、「これだけ我慢して起用したんだから…」という思いになかなか応えることが出来ず、毎年のように打撃フォームを見直し、新たな挑戦をするものの、安定した成果を残すことが出来ないまま、年数ばかりが過ぎ、2019年には出場試合数が29にまで激減しました。

そして昨季…堂林選手はオフに鈴木誠選手と自主トレを同行し、後輩にも徹底的にアドバイスを求め、とにかく必死になって、自分の打撃の形を模索しました。その結果がオープン戦や練習試合の中で、ようやく一つの形になり、成果が出るようになり、一定の手ごたえをつかみました。

では、昨季の堂林選手の打撃成績を振り返ってみましょう。

2020年1軍成績
試合打席打数安打二塁打三塁打本塁打打点三振
111451401112210145891
盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球打率長打率出塁率
17432414.279.436.350

開幕戦では「7番・ファースト」でスタメン出場し、4打数ノーヒットに終わりましたが、翌日の試合では左右に打ち分け、さらに内野安打もあったりで、4安打のまとめ打ち。そこから波に乗った堂林選手は開幕から1か月の間、打率は驚異の4割台をキープし、一時は打率でもトップに立ちました。

では、堂林選手の昨季の月別の打撃成績を振り返ってみましょう。

【2020年月別成績】
打数安打HR打点三振四死盗塁打率
6・7月1234472229105.358
8月862251119144.256
9月85171620113.200
10・11月1072911923105.271

開幕から1か月の間は、まさに「覚醒」と呼ぶにふさわしい活躍ぶりでした。新型コロナウイルス感染拡大に伴う無観客試合が続く中でしたが、堂林選手の活躍に、ついに待ちわびていた時が来たと、ファンは大いに沸きました。

ただ、8月に入る頃から徐々に勢いに陰りが出てきました。3割台をキープしていた打率は8月18日についに2割台に。そこから粘って再び3割台に乗せるものの、8月29日の阪神戦で足を痛めるアクシデント…その日の夜は眠れないほどの痛みに襲われたようで、その後、打率は下がりました。9月の月間打率2割から、その当時の苦しさが伝わってきます。

しかし、10・11月になると打撃の調子も徐々に取り戻し、シーズン最後までしっかりと走り抜けました。そして、堂林選手が長い迷いのトンネルから抜け出し、今回は3年目のシーズンとは異なり、自分の力で一気にレギュラーを手繰り寄せました。8年ぶりに規定打席に到達し、シーズン14本塁打は、2012年シーズンと自己タイ記録、58打点、17盗塁、打率.279はキャリア・ハイの成績を残しました

昨季、相手投手の左右別の打率を見てみると…

【相手投手の左右別打率】
対左投手 97打数25安打 打率.258
対右投手 304打数87安打 打率.286


左投手よりも右投手の方が打率が上回っています。こういった成績になるのは、右投手の外角を逆らわずにライト方向へ運ぶ打撃が出来ているということでしょう。昨季、堂林選手が放った14本塁打のうち、4本塁打が逆方向へのもので、全体的に見ても、本塁打は広角に放っています。また右方向への打球も3割程度と広角に打ち合分けている傾向があります。

左投手の内角に差し込まれる傾向がある反面、右投手には真ん中よりの球を逃さず捉え、外角球を逆方向にはじき返す…そもそも堂林選手は逆方向へも伸びる打球が持ち味でした。本来の打撃を取り戻してきたといえるでしょう

一方でサードの守備には不安を抱えています。とりわけ送球に関しては苦手意識があるようで、ファーストへワンバウンド送球する場面も目立ちました。ただ、ファーストを守る松山選手が、堂林選手の送球をこぼす場面もあり、これが堂林選手のエラー数を余計に増やしてしまった面もありました。今季、ファーストが大柄なクロン選手になれば、的が大きくなる分、送球がしやすくなる可能性はあります

堂林選手はカープ屈指の人気選手です。球場の雰囲気を一気に変えることが出来る…カープにとって貴重な存在です。そんな堂林選手は、昨季つかんだ打撃フォームをさらに追求し、改善していくようです。2年連続で結果を残してこそ、真のレギュラーに近づいていく…今季はその壁をぜひ打ち破り、年間通して打率も長打力も、安定した成績を残せるように、さらなる進化を期待したいと思います。

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