近年のなぜ?(2)~2016年の日本シリーズでの敗退~
◎近年のなぜ?(2)~2016年の日本シリーズでの敗退~
近年のカープの「なぜ」に迫って、なぜそうなったのかを考えてみようという企画。第2回の今回は、2016年、25年ぶりに出場した日本シリーズで、北海道日本ハムを相手に2勝4敗の敗退となってしまった理由は一体何だったのか…今、改めて迫ってみたいと思います。
この年の日本シリーズ、カープは本拠地・マツダスタジアムで、2試合連続、5-1というスコアで、シーズンの勢いそのままという試合を見せました。第1戦は、今やメジャーリーガーの大谷翔平投手を相手に、ダブルスチールを決めたり、松山選手やエルドレッド選手に一発が飛び出したり…機動力に長打力を融合させての見事な勝利で勢いが加速しました。
しかし、このシリーズは場所を札幌に移動してから、流れが変わります。第3戦では9回表、土壇場で安部選手のタイムリーで同点に追いつきましたが、延長10回に大谷選手にサヨナラタイムリーを浴びました。日本シリーズというのは、サヨナラゲームというのが最も流れを変えやすい…しかも、決勝打がチームの中心となる選手であればなおさらです。その勢いのまま、第4戦もカープが敗れて、2勝2敗のイーブンとなります。
そして、この年の日本シリーズで、カープにとって最も厳しい流れを作ってしまったと思われる第5戦を迎えます。
まず、ここで緒方監督は第1戦で先発し、中4日でジョンソン投手を起用した…これは1つのポイントだったと思います。緒方監督はおそらく「札幌で絶対に1つは勝って、王手をかけてマツダスタジアムに戻りたい」と考えたのではないでしょうか。しかし、この時点で王手をかけられていたならまだしも、2勝2敗のイーブンだったわけで、まだ1つ負けることが出来たわけです。マツダスタジアムに戻って勝負をかけることも出来たのではないでしょうか。幸先よく2勝を奪ったものの、すぐに追いつかれたことの焦りを感じました。
そして、相手は当時ルーキーの左腕・加藤投手をマウンドに送ってきましたが、初回は3本のヒットを集めながら、1点しか奪うことが出来ず、2回も無死2・3塁のチャンスを作りながら、得点に結びつけることが出来ませんでした。札幌にきて、2点以上のリードを奪うことが出来なかった、そのチャンスをつかめなかった…第1戦で見せたような積極的な攻撃姿勢が、札幌に来て、思うように見られなかったのも1つのポイントだったように思います。
そして、北海道日本ハムはすぐさま2番手に右腕のメンドーサ投手を送ってきました。相手の先発左腕を一気に攻略できるチャンスを逃し、しかも打線は左腕攻略のために右打者を多く起用しました。しかし、相手は早々に右腕に切り替えてきたこと、しかも日頃は対戦しない投手を相手に、打線の当たりはぴたりと止まりました。相手がルーキー左腕だっただけに、早々の交代もありうる…2番手投手に対する準備不足が感じられました。
相手は短期決戦ということもあり、積極的に戦力をつぎ込み、またその戦力にはバリエーションがありました。一方でカープは今村投手、ジャクソン投手が全試合に登板したように、型にハマった采配から脱することが出来ずに、試合を重ねるごとに相手の術中にハマりやすくなった…これが敗因だったのでしょう。
短期決戦を戦うには、まずは常に攻めの采配をすること、型にハマった采配ばかりでなく、多種多様なパターンを用意すること、戦力にもバリエーションを持たせることが大切なのでしょう。
佐々岡監督は果たして、どのような采配を見せるか…とりわけ投手出身監督であり、現役時代は先発でも抑えでも名を馳せた選手でした。勝利の方程式をどうするかという課題はありますが、若手にも楽しみな投手が複数おり、左右のバリエーションも出てきただけに、勝負どころの試合でバリエーションを最大限活用した采配を見せてくれることを期待したいものです。
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近年のカープの「なぜ」に迫って、なぜそうなったのかを考えてみようという企画。第2回の今回は、2016年、25年ぶりに出場した日本シリーズで、北海道日本ハムを相手に2勝4敗の敗退となってしまった理由は一体何だったのか…今、改めて迫ってみたいと思います。
この年の日本シリーズ、カープは本拠地・マツダスタジアムで、2試合連続、5-1というスコアで、シーズンの勢いそのままという試合を見せました。第1戦は、今やメジャーリーガーの大谷翔平投手を相手に、ダブルスチールを決めたり、松山選手やエルドレッド選手に一発が飛び出したり…機動力に長打力を融合させての見事な勝利で勢いが加速しました。
しかし、このシリーズは場所を札幌に移動してから、流れが変わります。第3戦では9回表、土壇場で安部選手のタイムリーで同点に追いつきましたが、延長10回に大谷選手にサヨナラタイムリーを浴びました。日本シリーズというのは、サヨナラゲームというのが最も流れを変えやすい…しかも、決勝打がチームの中心となる選手であればなおさらです。その勢いのまま、第4戦もカープが敗れて、2勝2敗のイーブンとなります。
そして、この年の日本シリーズで、カープにとって最も厳しい流れを作ってしまったと思われる第5戦を迎えます。
まず、ここで緒方監督は第1戦で先発し、中4日でジョンソン投手を起用した…これは1つのポイントだったと思います。緒方監督はおそらく「札幌で絶対に1つは勝って、王手をかけてマツダスタジアムに戻りたい」と考えたのではないでしょうか。しかし、この時点で王手をかけられていたならまだしも、2勝2敗のイーブンだったわけで、まだ1つ負けることが出来たわけです。マツダスタジアムに戻って勝負をかけることも出来たのではないでしょうか。幸先よく2勝を奪ったものの、すぐに追いつかれたことの焦りを感じました。
そして、相手は当時ルーキーの左腕・加藤投手をマウンドに送ってきましたが、初回は3本のヒットを集めながら、1点しか奪うことが出来ず、2回も無死2・3塁のチャンスを作りながら、得点に結びつけることが出来ませんでした。札幌にきて、2点以上のリードを奪うことが出来なかった、そのチャンスをつかめなかった…第1戦で見せたような積極的な攻撃姿勢が、札幌に来て、思うように見られなかったのも1つのポイントだったように思います。
そして、北海道日本ハムはすぐさま2番手に右腕のメンドーサ投手を送ってきました。相手の先発左腕を一気に攻略できるチャンスを逃し、しかも打線は左腕攻略のために右打者を多く起用しました。しかし、相手は早々に右腕に切り替えてきたこと、しかも日頃は対戦しない投手を相手に、打線の当たりはぴたりと止まりました。相手がルーキー左腕だっただけに、早々の交代もありうる…2番手投手に対する準備不足が感じられました。
相手は短期決戦ということもあり、積極的に戦力をつぎ込み、またその戦力にはバリエーションがありました。一方でカープは今村投手、ジャクソン投手が全試合に登板したように、型にハマった采配から脱することが出来ずに、試合を重ねるごとに相手の術中にハマりやすくなった…これが敗因だったのでしょう。
短期決戦を戦うには、まずは常に攻めの采配をすること、型にハマった采配ばかりでなく、多種多様なパターンを用意すること、戦力にもバリエーションを持たせることが大切なのでしょう。
佐々岡監督は果たして、どのような采配を見せるか…とりわけ投手出身監督であり、現役時代は先発でも抑えでも名を馳せた選手でした。勝利の方程式をどうするかという課題はありますが、若手にも楽しみな投手が複数おり、左右のバリエーションも出てきただけに、勝負どころの試合でバリエーションを最大限活用した采配を見せてくれることを期待したいものです。
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