ルーキーたちの1年目を振り返る(2)~鈴木寛人投手編~
◎ルーキーたちの1年目を振り返る(2)~鈴木寛人投手編~
カープのルーキーは初めてプロ野球選手として過ごした1年間、どのようなシーズンだったのでしょうか。今季の成績とともに振り返る連載企画。第2回は、ドラフト3位ルーキーの鈴木寛人投手を取り上げてみたいと思います。
今季3年目の遠藤敦志投手はシーズン通して先発ローテーションを守り、5勝をマークしました。そんな遠藤投手の出身である茨城・霞ヶ浦高の2年後輩が鈴木寛投手です。目標でもある先輩の背中を追いかけて、先輩よりも早く1軍の戦力となることを目指して、プロ野球の世界に飛び込みました。
近年、高校生ルーキーは、野手に関しては早々にウエスタンリーグなど実戦で経験を積む一方、投手に関しては、徹底的に走り込み、プロ野球選手としての身体を作っていく時間に多くを割き、1年間の成果をウエスタンリーグの最終戦間際でマウンドで披露するというケースがほとんどです。
鈴木寛投手に関しても例に漏れず、2軍でのデビューは10月31日、ウエスタンリーグも残り2試合というところでした。1試合のみの登板でしたが、今季の2軍での投球成績は以下のとおりです。
霞ヶ浦高時代は最速150キロ。タメを作って、一気に上から投げ下ろすイメージの力強くもあり、非常にスムーズなピッチングフォームでした。先輩の遠藤投手と比較すれば、力強さに加え、ストレートにも角度があるという点で、遠藤投手よりも早く1軍デビューできる可能性がある投手だと感じました。
しかし、ウエスタンリーグでのデビュー戦は1回を投げて1失点。ストレートは実に最速134キロ。高校時代のストレートからすれば、その球速は目を疑うものでした。その後、フェニックスリーグでは実戦登板を重ねた鈴木寛投手。まずはその登板成績を振り返ってみましょう。
とにかく試合を重ねるごとに投球内容はひどくなる一方でした。ストレートも120キロ台がやっとで、11月28日に日南で行われた東京ヤクルトとの試合では、キャッチャーがジャンプしても届かないような、バックネットに当たる大暴投を連発。もはやピッチングどころか、キャッチボールにもならないような状況でした。
一体、鈴木寛投手に何があったのでしょうか。
ピッチングフォームを見ていると、確かに右手を沈み込ませてから投げ下ろすという点では高校時代と同じなのでしょうが、1つ1つの動作がカクカクっとしていて、ぎこちなさがあります。一挙手一投足、考えながら投げている感じで、スムーズさがまるでなく、結果的にリリースポイントもバラバラになり、コントロールが利かない悪循環を生んでいるように思いました。
それでもフェニックスリーグでは登板機会を与えているわけですから、球団として何かしら意図はあるのかもしれませんが、ピッチングの様子だけを見ていると、もはや登板するたびに、投げるだけに精一杯になっている印象で、心配しか感じられないものでした。
高校時代の豪快なピッチングが影を潜めている鈴木寛投手。ひとまずプロとしての最低限の身体作りはクリアしつつあるようで、あとは今の考えすぎているようなフォームを、いかにスムーズにしていくかというところでしょう。
まだ1年目が終わったばかり。チームには霞ヶ浦高の先輩である遠藤投手という心強い味方もいるわけです。しっかりと充実したオフを過ごし、焦らずに、自分のフォームを取り戻し、来季は本来の豪快なストレートを投げ込む姿を見せてほしいと思います。
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カープのルーキーは初めてプロ野球選手として過ごした1年間、どのようなシーズンだったのでしょうか。今季の成績とともに振り返る連載企画。第2回は、ドラフト3位ルーキーの鈴木寛人投手を取り上げてみたいと思います。
今季3年目の遠藤敦志投手はシーズン通して先発ローテーションを守り、5勝をマークしました。そんな遠藤投手の出身である茨城・霞ヶ浦高の2年後輩が鈴木寛投手です。目標でもある先輩の背中を追いかけて、先輩よりも早く1軍の戦力となることを目指して、プロ野球の世界に飛び込みました。
近年、高校生ルーキーは、野手に関しては早々にウエスタンリーグなど実戦で経験を積む一方、投手に関しては、徹底的に走り込み、プロ野球選手としての身体を作っていく時間に多くを割き、1年間の成果をウエスタンリーグの最終戦間際でマウンドで披露するというケースがほとんどです。
鈴木寛投手に関しても例に漏れず、2軍でのデビューは10月31日、ウエスタンリーグも残り2試合というところでした。1試合のみの登板でしたが、今季の2軍での投球成績は以下のとおりです。
試合 | 勝 | 負 | S | H | 回 | 被安打 | 四球 | 死球 |
1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 |
奪三振 | 失点 | 自責 | 防御率 | 完投 | 先発 | 完封 | WHIP | QS |
0 | 1 | 1 | 9.00 | 0 | 0 | 0 | 3.00 | 0 |
霞ヶ浦高時代は最速150キロ。タメを作って、一気に上から投げ下ろすイメージの力強くもあり、非常にスムーズなピッチングフォームでした。先輩の遠藤投手と比較すれば、力強さに加え、ストレートにも角度があるという点で、遠藤投手よりも早く1軍デビューできる可能性がある投手だと感じました。
しかし、ウエスタンリーグでのデビュー戦は1回を投げて1失点。ストレートは実に最速134キロ。高校時代のストレートからすれば、その球速は目を疑うものでした。その後、フェニックスリーグでは実戦登板を重ねた鈴木寛投手。まずはその登板成績を振り返ってみましょう。
日付 | 相手 | 回 | 打者 | 被安 | 三振 | 四死 | 自責 | 防御率 |
11/9 | 楽天 | 1 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0 | - |
11/12 | ヤクルト | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | - |
11/14 | 西武 | 2/3 | 7 | 1 | 0 | 5 | 2 | - |
11/19 | 巨人 | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | - |
11/26 | ロッテ | 2/3 | 5 | 1 | 1 | 2 | 0 | - |
11/28 | ヤクルト | 2/3 | 5 | 2 | 1 | 3 | 4 | - |
計 | 6 | 24 | 4 | 2 | 12 | 6 | 9.00 |
とにかく試合を重ねるごとに投球内容はひどくなる一方でした。ストレートも120キロ台がやっとで、11月28日に日南で行われた東京ヤクルトとの試合では、キャッチャーがジャンプしても届かないような、バックネットに当たる大暴投を連発。もはやピッチングどころか、キャッチボールにもならないような状況でした。
一体、鈴木寛投手に何があったのでしょうか。
ピッチングフォームを見ていると、確かに右手を沈み込ませてから投げ下ろすという点では高校時代と同じなのでしょうが、1つ1つの動作がカクカクっとしていて、ぎこちなさがあります。一挙手一投足、考えながら投げている感じで、スムーズさがまるでなく、結果的にリリースポイントもバラバラになり、コントロールが利かない悪循環を生んでいるように思いました。
それでもフェニックスリーグでは登板機会を与えているわけですから、球団として何かしら意図はあるのかもしれませんが、ピッチングの様子だけを見ていると、もはや登板するたびに、投げるだけに精一杯になっている印象で、心配しか感じられないものでした。
高校時代の豪快なピッチングが影を潜めている鈴木寛投手。ひとまずプロとしての最低限の身体作りはクリアしつつあるようで、あとは今の考えすぎているようなフォームを、いかにスムーズにしていくかというところでしょう。
まだ1年目が終わったばかり。チームには霞ヶ浦高の先輩である遠藤投手という心強い味方もいるわけです。しっかりと充実したオフを過ごし、焦らずに、自分のフォームを取り戻し、来季は本来の豪快なストレートを投げ込む姿を見せてほしいと思います。
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