それぞれの2020年、そして来季へ(38)~林晃汰選手編~
◎それぞれの2020年、そして来季へ(38)~林晃汰選手編~
毎年恒例、来季の戦力を1人ずつ、今季の成績とともにチェックしていく連載。38回目となる今回は、将来のカープの主砲候補として期待され、今季が3年目のシーズンとなる林晃汰選手に注目してみたいと思います。
カープの野手陣を見ると、俊足巧打タイプの選手が多い傾向があります。「カープ野球」の根幹は守り勝つ野球であり、機動力を前面に押し出した野球であるがゆえに、どうしても俊足の選手の方が出場機会を得やすい、そして戦力となりやすい傾向があるからなのでしょう。
しかし、そればかりに偏りすぎてもいけません。そこでカープが2018年にドラフト3位指名で獲得したのが林晃汰選手でした。けして足が速いわけではないのですが、フルスイングからの長打力には大きな魅力があり、将来の左の主砲になれる素材として期待されての入団となりました。
そこで、まずルーキーイヤーとなった2019年のウエスタンリーグでの成績から振り返ってみましょう。
2019年の2軍成績
確かに打率そのものは、2割台前半ではありますが、7本塁打を放つパワーがあるところは存分にアピールし、長距離砲としての素質の豊かさを感じさせるものでした。
そして、昨年。春季キャンプでの林選手の姿は見違えるほどに大きくなっていました。1年目も、けしてスラっとしていたわけではなく、いかにも長距離ヒッターという雰囲気はありましたが、それをさらに一回り大きくしたような、カープの野手にはいない、打席に入ったときに相手投手が間違いなく一発を警戒するであろう、そんな雰囲気を思う存分に漂わせる堂々たる体格となっていました。
というわけで、昨季の林選手の2軍での成績を見てみましょう。
2020年ウエスタンリーグ
昨年は2軍で4番を務めることがほとんどでした。そんな中、7月終了時点で打率3割を超える好調ぶりを見せました。パワーだけでなく、確実性も備わってきたかと思われましたが、長距離ヒッターは調子の波が激しい傾向も強いのか、8・9月に調子を崩してしまいました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、ルーキーイヤーに比べると出場試合数自体は減りましたが、前年を上回る本塁打を放ちました。あと1本で2ケタというところでしたが、通常通りシーズンが行われていたら、当然10分の大台は軽くクリアしていたことでしょう。
同期入団である小園選手は1年目に、羽月選手も2年目に1軍デビューを飾る中、林選手も10月2日、待望の1軍昇格を果たしました。それでは、昨季の1軍成績も見てみましょう。
1軍成績
スタメン出場も経験し、10月9日の東京ヤクルト戦では代打で出場し、プロ初安打となるライト線への2塁打を放ちました。しかし、8打席で5度の三振が物語るように、1軍投手の投球に対して、なかなか思うような打撃をさせてもらえませんでした。たびたびチャンスは与えられましたが、9日間で昨季の1軍生活は終わりました。
では最後に、フェニックスリーグでの打撃成績を見てみましょう。
フェニックスリーグ
2軍となると、徐々に相手を圧倒する成績を残せるように放っていると思います。フェニックスリーグでは打率こそ、ウエスタンリーグとほぼ変わらない成績でしたが、出塁率をみれば.388と非常にハイアベレージを残しました。
そもそもファーストとサードを守る林選手ですが、ウエスタンリーグでは守備でほぼ1塁を守っていました。しかし、フェニックスリーグではファーストよりもむしろサードを中心に守りました。これは来季の1軍昇格を見据えて、ファーストよりもサードの方が需要があると考えたのでしょう。確かにファーストは新外国人のクロン選手と松山選手が争っているのに対して、サードは堂林選手が主軸で、左打者が少ない…その分、その穴にはまる可能性は高いためです。
相手の球に合わせていくような打撃では、本来の林選手の良さは出てきません。どっしりした体格から、力いっぱいフルスイングをして、少しでも打球を大空に、遠くにかっ飛ばすことこそが、林選手の持ち味だと思います。それゆえに、1軍の投手に適応するのにはそれなりの時間がかかるでしょう。
そしてチームとしても、将来的に鈴木誠選手のメジャー挑戦を見据えると、林選手を将来の主砲として、1軍で積極起用をしながら、育てていくべきだと思います。林選手自身も昨季、とにかく1軍で1本のヒットが打てたこと…これは自信にしていくべきだと思います。
そして今季に向けて、1軍の投手に翻弄されず、しっかりボールを見極めながら、自分のスイングが出来るように、1軍の環境でプレーできる時間を大切にして、今季はぜひプロ初本塁打を放って、左のスラッガー、将来のカープの4番としてのスタートを切る1年にしてほしいと思います。
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毎年恒例、来季の戦力を1人ずつ、今季の成績とともにチェックしていく連載。38回目となる今回は、将来のカープの主砲候補として期待され、今季が3年目のシーズンとなる林晃汰選手に注目してみたいと思います。
カープの野手陣を見ると、俊足巧打タイプの選手が多い傾向があります。「カープ野球」の根幹は守り勝つ野球であり、機動力を前面に押し出した野球であるがゆえに、どうしても俊足の選手の方が出場機会を得やすい、そして戦力となりやすい傾向があるからなのでしょう。
しかし、そればかりに偏りすぎてもいけません。そこでカープが2018年にドラフト3位指名で獲得したのが林晃汰選手でした。けして足が速いわけではないのですが、フルスイングからの長打力には大きな魅力があり、将来の左の主砲になれる素材として期待されての入団となりました。
そこで、まずルーキーイヤーとなった2019年のウエスタンリーグでの成績から振り返ってみましょう。
2019年の2軍成績
試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 三振 |
102 | 348 | 315 | 71 | 19 | 5 | 7 | 35 | 67 |
盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
2 | 2 | 3 | 2 | 26 | 4 | .225 | .384 | .290 |
確かに打率そのものは、2割台前半ではありますが、7本塁打を放つパワーがあるところは存分にアピールし、長距離砲としての素質の豊かさを感じさせるものでした。
そして、昨年。春季キャンプでの林選手の姿は見違えるほどに大きくなっていました。1年目も、けしてスラっとしていたわけではなく、いかにも長距離ヒッターという雰囲気はありましたが、それをさらに一回り大きくしたような、カープの野手にはいない、打席に入ったときに相手投手が間違いなく一発を警戒するであろう、そんな雰囲気を思う存分に漂わせる堂々たる体格となっていました。
というわけで、昨季の林選手の2軍での成績を見てみましょう。
2020年ウエスタンリーグ
試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 三振 |
69 | 288 | 259 | 69 | 16 | 0 | 9 | 40 | 52 |
盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
3 | 1 | 0 | 3 | 23 | 3 | .266 | .432 | .330 |
昨年は2軍で4番を務めることがほとんどでした。そんな中、7月終了時点で打率3割を超える好調ぶりを見せました。パワーだけでなく、確実性も備わってきたかと思われましたが、長距離ヒッターは調子の波が激しい傾向も強いのか、8・9月に調子を崩してしまいました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、ルーキーイヤーに比べると出場試合数自体は減りましたが、前年を上回る本塁打を放ちました。あと1本で2ケタというところでしたが、通常通りシーズンが行われていたら、当然10分の大台は軽くクリアしていたことでしょう。
同期入団である小園選手は1年目に、羽月選手も2年目に1軍デビューを飾る中、林選手も10月2日、待望の1軍昇格を果たしました。それでは、昨季の1軍成績も見てみましょう。
1軍成績
試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 三振 |
4 | 8 | 8 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 |
盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .125 | .250 | .125 |
スタメン出場も経験し、10月9日の東京ヤクルト戦では代打で出場し、プロ初安打となるライト線への2塁打を放ちました。しかし、8打席で5度の三振が物語るように、1軍投手の投球に対して、なかなか思うような打撃をさせてもらえませんでした。たびたびチャンスは与えられましたが、9日間で昨季の1軍生活は終わりました。
では最後に、フェニックスリーグでの打撃成績を見てみましょう。
フェニックスリーグ
打数 | 安打 | HR | 打点 | 三振 | 四死 | 盗塁 | 打率 |
56 | 15 | 1 | 8 | 8 | 11 | 0 | .268 |
2軍となると、徐々に相手を圧倒する成績を残せるように放っていると思います。フェニックスリーグでは打率こそ、ウエスタンリーグとほぼ変わらない成績でしたが、出塁率をみれば.388と非常にハイアベレージを残しました。
そもそもファーストとサードを守る林選手ですが、ウエスタンリーグでは守備でほぼ1塁を守っていました。しかし、フェニックスリーグではファーストよりもむしろサードを中心に守りました。これは来季の1軍昇格を見据えて、ファーストよりもサードの方が需要があると考えたのでしょう。確かにファーストは新外国人のクロン選手と松山選手が争っているのに対して、サードは堂林選手が主軸で、左打者が少ない…その分、その穴にはまる可能性は高いためです。
相手の球に合わせていくような打撃では、本来の林選手の良さは出てきません。どっしりした体格から、力いっぱいフルスイングをして、少しでも打球を大空に、遠くにかっ飛ばすことこそが、林選手の持ち味だと思います。それゆえに、1軍の投手に適応するのにはそれなりの時間がかかるでしょう。
そしてチームとしても、将来的に鈴木誠選手のメジャー挑戦を見据えると、林選手を将来の主砲として、1軍で積極起用をしながら、育てていくべきだと思います。林選手自身も昨季、とにかく1軍で1本のヒットが打てたこと…これは自信にしていくべきだと思います。
そして今季に向けて、1軍の投手に翻弄されず、しっかりボールを見極めながら、自分のスイングが出来るように、1軍の環境でプレーできる時間を大切にして、今季はぜひプロ初本塁打を放って、左のスラッガー、将来のカープの4番としてのスタートを切る1年にしてほしいと思います。
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